DSIAC ウェビナーの全容公開 徹底解析 ②

第2回 Photoreactivation 〜 光再活性化させない222nm紫外線

プレゼン資料

前回に引き続き、ボーイング社のプレゼンの解説をしていきます。第2回目はPhotoreactivation 〜 光再活性化させない222nm紫外線 という事ですが、このキーワードは私たちの間でも初出でとても驚きました。調べてみると、Photoreactivation(光再活性化)とは、フォトリアーゼ(Photolyase)というDNA修復酵素が可視光(特に青や紫色)によって、紫外線により損傷したDNAを修復する作用をいうらしい。つまり、この酵素をもつウイルスはUVCを照射され不活化(DNA損傷)したとしても青や紫の光に当たると壊れたDNAが修復されてしまという、まさに復活の呪文のようなものという。DNA型ウイルスや細菌などが当てはまります。

では、新型コロナウイルスではどうかというと、コロナウイルス自体はRNA型なので該当しないはずですが、近年の研究で、コロナウイルスには、この修復システムが備わっているとの事です。(参考文献 :2.変異を許容にするRNAウイルスあたり)

さて、表題の「光再活性化させない222nm紫外線」ですが、なぜ通常のUVCでは、光再活性化を許してしまうのに222nmではそれが起きないのか。それは、前回にも触れましたが、222nm紫外線はタンパク質の吸収率が254nmの25倍もあるという事です。

つまり、通常の254nmをはじめとする紫外線はウイルスを構成するタンパク質には影響を与えず透過するが、222nmに関してはタンパク質の吸収率が高いが故に、ウイルスのタンパク質にも大きな影響を与えてしまうからだそうです。

今回のウェビナーでは、ここまで専門的な話はしていませんでしたが、結論としては、222nmFAR-UVCは、より安全により効率的により完全にウイルスを不活化させる、パーフェクトな紫外線と言えるのではないでしょうか。

ボーイング社が、『ゲームチェンジャー』と表現するのもわかる気がします。

* 今回、参考にさせて頂いた、いくつかの光再活性化に関する論文等は、査読されているか等、十分な検証をしたわけではありません。また、私自身も完全に理解したわけではないので(突然現れたフレーズでしたので)今回のウェビナーでは、こういう内容の話題もあった程度で読んでいただけるとありがたいです。もしかしたら、新たな論文が発表されるかもしれませんので、私たちは今後とも注視していこうと思っています。

* DNAとRNAの違い:RNAもまた、DNAと同じように核酸の一種なのですが、構成要素と働きが異なっています。このウェブナーもそうですが、DNA/RNAは同じ核酸として同様なものとして扱われているようです。

* 英語-日本語訳は、機械翻訳の他、複数の方に確認して頂いてます。しかし、個々人の解釈の違いもあるかもしれませんので、本編動画プレゼン資料をご自身で確認して頂ければと思います。

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